花びら餅とは、白く薄い丸餅(求肥)の上に紅色の菱餅(最近は紅色に染めた白餡で代用する事も多い)
・白味噌餡・甘煮したゴボウを置き、半円状に折りたたんだもの。別名「菱葩(ひしはなびら)」とも呼
ばれます。白味噌餡に甘く煮た牛蒡だなんて、初めて知る方にはちょっと不思議な組み合わせですよね。
平安の頃より宮中では「歯固め」という儀式が行われていました。
餅の上に赤い菱餅を敷き、その上に猪・鹿・大根・押し鮎(塩漬けした鮎)など固いものをのせて食べ、
歯の根を固める事で長寿を願いました。そんな歯固めの儀式が簡略化されていく過程で、「宮中雑煮」
と呼ばれた、白餅と紅餅を重ねたもので食べ物をくるんで食す様式に変化します。この宮中雑煮が
より簡略化されて生まれるのが「菱葩(ひしはなびら)餅」で、押し鮎(お正月の魚として珍重されて
いた)の見立てとして牛蒡が、京都風の白味噌仕立ての雑煮の代用として白味噌餡が使用されています
※◆伝統儀式「歯固め」より
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